朝霞女子中学生誘拐事件について思うこと~被害者側弁護士からみて
2016/04/01
弁護士の神尾です。
朝霞の中学生が保護されたというニュースに接しました。
県内にはポスターも貼られていましたし、朝霞署に行った際にボランティアの方々がチラシを配っていたのを見たこともありました。保護されて本当に良かったと思います。
私は、被害者側の代理人として裁判員裁判にも参加したことがありますし、ある程度被害者側の事件を担当してきたつもりです。
そんな中で、私が思うのは、「被害者にとって大切なのは、そっとしておいてもらうこと」ということです。
もし何かあれば、被害者の側から発信すればよいことです。権利を行使することもあるでしょう、会見を開くこともあるでしょう。
ただ、そういった「発信」行為を第三者が求めること、憶測で追いつめて「発信」せざるを得ないような状態に置くことからは、何も生みません。傷を深くするだけです。
普段「犯罪者ばかり優遇されていて被害者はいつも蚊帳の外」とお考えであるならば、今こそあえて「蚊帳の外」に置くことが大事なのではないかと思うのです。
私は今回の事件を担当しているわけではないので、以上のようなことも「憶測」に過ぎません。ただ、少なくとも「そっとしておくこと」の重要性は理解しているつもりです。