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法律雑学その11~あなたの髪、どこで切っています?実は違法だったのかも!

2015/07/29

カリスマ美容師なんていう言葉もかなり昔に流行りましたね。

誰にもお気に入りの美容院や床屋があると思います。

「伸びたから俺髪切り行ってくるわ、裏原辺りのカリスマにマジ切ってもらってるし」って、恰好を気にする男性の中には美容院に行く方もいます。

でもでも、実はそんな日常の風景にも法律の落とし穴があった、というお話です。

 

日本には、理容師さんと美容師さんがいます。

理容師さんは理容師法、美容師さんは美容師法に基づいています。

 

では、理容師さんとは何か。

 

理容=頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えること(理容師法1条の2第1項)

理容師=理容を業としている人(同2項)

 

「刈込」なんて、荒々しいザ・整髪って感じですね。

 

理容の解釈については、昭和53年通知があります。

 

理容師が、刈込み等の行為に伴う理容行為の一環として男子に対し仕上げを目的とするコールドパーマネントウエーブを行うことは差し支えないが、これ以外のコールドパーマネントウエーブは行ってはならないこと。

 

ん?コールド?

まあ熱を使わないパーマぐらいに考えてください。

理容師は、刈込みの仕上げでパーマ使うのはOKだけど、それ以外はパーマやっちゃダメという感じで考捉えてください。

 

他方美容師さんとは何か。

 

美容=パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること(美容師法2条1項)

美容師=免許を受けて美容を業とする人(同2項)

 

そして、昭和53年通知も参照してみます。この規定が、物議を醸すことになります。

 

美容師が、コールドパーマネントウエーブ等の行為に伴う美容行為の一環として、

カッティングを行うことは、その対象の性別の如何を問わず差し支えないこと。また、

女性に対するカッティングは、コールドパーマネントウエーブ等の行為との関連の有無にかかわらず行って差し支えないこと。

しかし、これ以外のカッティングは行ってはならないこと。

 

要は、美容師は、

パーマに伴う美容行為の一環でカットする→お客さんが男性でも女性でもOK

パーマとは無関係にカットする→女性客ならOK。男性客はダメ!

ということです。

 

そうです、美容院では、「パーマなしカットのみというのは、女性客にしかやってはいけない、男性客にカットのみは通知(法律)違反!」ということだったのです。

 

いやいやおかしいでしょう、男だって美容院に行きたい!という強い思いが、何と30年以上もかなえられることはありませんでした。

それがようやく平成27年7月になって、新しい通知が出たのです!

 

新しい通知は簡単に言うと、

理容師もコールドパーマネントウエーブを行ってOK

美容師も(男性を含めて)カットOK

ということになりました。

 

なんでこんな通知が残されてきたのか、どうして最近になって新しくなったのかは、大人の事情もあるのだという程度で、それ以上詮索しない方が身のためです(嘘)。

 

めでたく「裏原辺りのカリスマでまじイケてる感じでお願いします」と大手を振って言えるようになった、というお話でした。


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